女性の更年期 #38

初診で何を話せばいいか——婦人科オンライン相談の流れを具体的に


結論(先に)

「婦人科は敷居が高い」「何を話せばいいかわからない」という気持ちはよくある反応です。初診で医師が知りたいのは、症状の種類・いつから・どのくらいつらいか、そして月経の状況と内服薬の有無です。これらを事前に整理してくるだけで、相談の時間は格段に有効に使えます。オンライン相談はカメラの ON/OFF どちらでも対応しており、子育て中や仕事中でも受診しやすい形式です。


読者の状況

  • 婦人科に行ったことがほとんどなく、初診が不安
  • 「更年期かも」という症状があるが、どう説明すればよいかわからない
  • 忙しくてクリニックに行く時間が取りにくい
  • オンライン診療が初めてで、どんな流れかイメージできない
  • 症状が複数あり、何から話すか迷っている

よくある誤解

誤解実際
症状をすべて完璧に説明しないといけない医師が質問しながら整理するので、準備は最低限でよい
内診があるからオンラインでは対応できない初回の相談・症状整理・ホルモン検査の指示はオンラインで可能な場合がある(施設による)
「これくらいで相談していいの?」という遠慮は正しい医師は毎日こうした相談を受けており、症状の軽重に関わらず相談は歓迎される
婦人科は婦人科疾患がある人だけのもの更年期症状の相談・ホルモン検査・生活指導なども婦人科の役割(※1)

根拠に基づく一般向け整理

初診前に準備しておくと便利なもの

以下を事前にメモしておくと、限られた診察時間を有効に使えます(※1)。

症状について

  • いつから症状が始まったか(大まかな時期でよい)
  • 最もつらい症状ベスト3(順番をつけておくと医師が優先順位を把握しやすい)
  • 症状が出やすいタイミング(朝・夜・ストレスが多い日など)
  • SMI(更年期指数)スコアを事前に計算しておくと参考になる(→ #31)

月経について

  • 最終月経の開始日(だいたいでよい)
  • 最近の月経周期の変化(規則的か・長くなったか・短くなったか)
  • 閉経しているかどうか(閉経していれば最後の月経の年月)

服薬・既往歴について

  • 現在飲んでいる薬・サプリメント・市販薬のリスト
  • 血栓症・乳がん・子宮体がん・肝疾患などの既往または家族歴(HRT の適応確認に重要)

当日よく聞かれること

初診で医師が確認することは、おおむね以下の内容です(※1)(※2)。

  1. 今一番困っている症状は何か
  2. 最終月経はいつか(または閉経時期)
  3. これまでの婦人科系の既往歴(子宮筋腫・子宮内膜症・卵巣嚢腫など)
  4. 乳がん・子宮がんの既往または家族歴
  5. 血栓症・心疾患・肝疾患の既往
  6. 現在の服薬リスト

「全部覚えていない」でも大丈夫です。わからない部分は「確認してから次回お伝えします」と伝えれば問題ありません。

オンライン相談の特徴

オンライン婦人科相談では、以下のような流れが一般的です(施設によって異なります)。

  1. 事前にWEBフォームで基本情報・症状を記入
  2. ビデオ通話で医師と問診(10〜20分程度が目安)
  3. 必要に応じて血液検査(近隣のクリニックまたは郵送キットで対応)
  4. 検査結果をもとに治療方針を相談

カメラは ON/OFF どちらでも対応している施設が多く、自宅・職場・車の中など、プライバシーが確保できる場所であればどこでも受診できます。子育て中で外出が難しい方、仕事の合間に相談したい方にとっても使いやすい形式です(※2)。

「医師は毎日こういう相談を受けている」

婦人科・更年期外来の医師は、「更年期かもしれない」「HRT(Hormone Replacement Therapy:ホルモン補充療法)が気になる」「症状が更年期なのか別の病気なのかわからない」という相談を日常的に受けています(※1)。「こんなことを聞いていいのか」と遠慮する必要はありません。むしろ、迷っている段階で相談することで、鑑別診断(他の疾患の除外)もスムーズに進みます(→ #37)。


今日から試せる行動

  • 「症状ベスト3・最終月経の日付・飲んでいる薬」を今すぐメモする
  • SMI スコアを計算して初診の参考資料にする(→ #31)
  • オンライン婦人科相談のWEBサイトを一つ開いて、予約フォームの項目を確認してみる
  • 「初診で話すことが整理できたら予約する」と決める

受診・紹介の目安

以下の症状は、オンライン相談よりも対面での早急な受診を優先してください。

  • 不正性器出血(特に閉経後の出血)——子宮体がんなどの除外が必要
  • 動悸・胸痛・呼吸困難——循環器疾患の可能性
  • 深刻な抑うつ・希死念慮——精神科・心療内科への受診を優先
  • 急激な体重減少・発熱を伴う症状——内科的精査が必要

免責

本記事は一般的な健康教育を目的とした情報提供であり、特定の医療機関・サービスを推奨するものではありません。オンライン診療の対応範囲は施設によって異なるため、受診前に各施設に確認してください。


参考文献

国内文献

  1. 寺内公一「更年期外来」内科 2021年127巻5号(初診の流れ・問診の概要)
  2. 三羽良枝「電話相談から見た更年期女性の実情と問題」公衆衛生 2010年74巻2号(受診行動の実態)

国際文献

  1. Shifren JL, Gass ML; NAMS Recommendations for Clinical Care of Midlife Women Working Group. “The North American Menopause Society recommendations for clinical care of midlife women.” Menopause. 2014;21(10):1038-1062.
  2. Sarrel PM, Portman D, Nappi RE. “Challenges in development of therapies for vulvovaginal atrophy.” Maturitas. 2014;79(1):50-56.