女性の更年期 #21

更年期の悩みは一人じゃない——電話・オンライン相談に見える共通の声


結論(先に)

「こんな悩みを打ち明けていいのか」「自分だけが大げさなのでは」と感じている方は多いですが、電話・オンライン相談に寄せられる声を見ると、多くの方が似た悩みを抱えています(※1)。孤独感は更年期症状を悪化させることがあり、「誰かに話す」こと自体が最初の一歩になります。相談することは「解決」ではなく「整理の始まり」です(→ #8)。


読者の状況

  • 更年期の症状があるが、誰に相談すればいいかわからない
  • 家族や友人には話しにくく、一人で抱え込んでいる
  • 「受診するほどのことでもない」と思い、相談を先延ばしにしている
  • 電話やオンライン相談のことは聞いたことがあるが、実際にどうすればいいか知らない
  • 「私だけがこんなにしんどいのか」と感じている

よくある誤解

誤解実際
電話相談は重篤な人向けのもの「悩んでいるが受診すべきかわからない」という段階でも利用できる(※1)
相談しても解決しない話すことで状況が整理され、次の行動が見えやすくなる(※1)
自分の悩みは大したことではない電話相談に寄せられる悩みの多くは、ここで紹介するような「日常的な辛さ」である(※1)
オンライン相談は対面より劣る移動不要・匿名性が高い等のメリットがあり、初めての相談に向いていることが多い(※2)

根拠に基づく一般向け整理

電話相談に寄せられる「よくある悩み」

国内の更年期に関する電話相談窓口への記録をまとめた研究(※1)によれば、相談内容として多いのは以下のカテゴリです。

  • 症状への不安:「これは更年期なのか、それとも別の病気なのか」(最多)
  • 治療への迷い:「HRTをすべきか悩んでいる。副作用が怖い」(→ #11・#32)
  • 孤独感:「身近に理解者がいない。一人で抱えている」(→ #20)
  • 受診のハードル:「婦人科に初めて行くのが怖い。どんな病院に行けばいいか」(→ #38)
  • 仕事・家庭との両立:「誰にも言えないまま働いている」(→ #15・#19)

これらは特定の人だけの話ではなく、多くの方が経験する共通のパターンです(※1)。

「話すこと」の効果

相談窓口を利用した方の多くが「話してよかった」「少し楽になった」と振り返っています(※1)。問題が解決するわけではなくても、「整理できた」「次に何をすればよいかわかった」という変化が起きることがあります。孤独感や不安は更年期症状そのものを悪化させることがあり、誰かとつながることが症状管理の一部になることもあります(※2)。

相談窓口の種類

相談先には以下のような選択肢があります(※2)。

  • 産婦人科学会・更年期外来:医療的な相談
  • よりそいホットライン(0120-279-338):24時間対応、生活上の困りごと全般
  • 女性健康相談センター(各都道府県):保健師・助産師への相談
  • オンライン診療・クリニックの相談窓口:受診前の問い合わせとして利用できることがある(→ #8)

「どこに相談すればいいかわからない」場合は、まずかかりつけ医か保健センターに連絡することから始めるのが最もハードルが低い方法の一つです。

「一人ではない」を実感すること

電話相談の記録にある言葉として、「こんなことで相談していいのかと思っていたけど、同じような人がいると聞いて安心した」という声があります(※1)。自分の経験を言語化し、共感を得ることは心理的な安定に寄与する可能性があります(※2)。


今日から試せる行動

  • 「相談先リスト」を一つスマートフォンに保存しておく(すぐ使わなくてもよい)
  • 身近に更年期について話せる友人・知人がいないか振り返る
  • 一度、オンライン診療サービスの「よくある質問」ページを読んでみる(→ #8)
  • 症状を誰かに話すことを今週の小さな目標にする(→ #20 も参照)

受診・紹介の目安

以下の場合は迷わずに医療機関・相談窓口への連絡をお勧めします。

  • 赤旗症状:希死念慮・自傷行為がある(よりそいホットライン・精神科が最優先)
  • 赤旗症状:強い孤立感・家庭内の暴力・DV被害がある(配偶者暴力相談支援センターへ)
  • 一人で抱えることで睡眠・食欲・日常生活に著しい支障が出ている
  • 「受診すべきかどうか」だけでも誰かに聞きたい

免責

本記事は一般向けの健康教育を目的としており、個別の診断・治療方針を保証するものではありません。症状が気になる場合は医療機関を受診してください。


参考文献

国内文献

  • ※1 三羽良枝. 電話相談から見た更年期女性の実情と問題. 公衆衛生 2010; 74(2): 109–.
  • ※2 河端恵美子. 現代女性と更年期障害. 公衆衛生 2010; 74(2): 99–108.

国際文献

  • ※3 Ayers B, et al. The impact of attitudes towards the menopause on women’s symptom experience: a systematic review. Maturitas 2010; 65(1): 28–36.
  • ※4 Hvas L, et al. Positive aspects of menopause: a qualitative study. Maturitas 2001; 39(1): 11–17.